猫を飼い始めるにあたって、悩むことの1つが猫トイレの置き場所です。
猫トイレは意外と場所を取るものなので、置き場所がなくて困っている方は多いでしょう。
家の構造や間取りなどの理由により、置き場所が玄関しかないこともあります。
特にマンションや一軒家でも空間が限られている場合は、他にスペースを見つけるのが難しいと感じることもあるでしょう。
しかし、玄関は猫トイレの置き場所として適切ではありません。
この記事では、猫トイレを玄関に置くのが適切でない理由や猫トイレを玄関に置く際のポイント、猫トイレを置くのに最適な場所などを説明していきます。
猫トイレの置き場所が玄関しかない:不適切な理由と対策
猫トイレの置き場所がなくて、玄関に置いている家は意外と多いです。
しかし、いくつかの理由で、玄関は猫トイレの置き場所に適していません。
- 猫トイレを玄関に置くのが適切でない理由
- 玄関に猫トイレを置くのは風水的にもNG
- 猫トイレを玄関に置く際のポイント
猫トイレを玄関に置くのが適切でない理由
猫は警戒心が強い動物です。
そのため、静かで落ち着いて排泄できる場所に、トイレを設置してあげる必要があります。
玄関は人の出入りが頻繁に行われ、来客が訪れることも多いです。
猫が安心して排泄できる場所ではないので、トイレを置くのに適切とは言えないのです。
トイレを我慢してしまったり、他の場所で粗相をしてしまったりする原因にもなり得ます。
また、臭いの問題もあります。
玄関に入った途端に猫の排泄物の臭いがしたら、臭いに慣れている家族ならまだしも、来客に不快な思いをさせてしまうかもしれません。
さらに、ドアが開いた隙に脱走する危険性があることや、冬場に寒くなりやすいことなども猫トイレを玄関に置くのが適切でない理由として挙げられます。
玄関に猫トイレを置くのは風水的にもNG
風水では、玄関は運気を左右する場所です。
玄関は運気の出入り口で、猫トイレやゴミ箱などを設置すると不浄の気が溜まり、良い運気が入って来られず運気が下がるといわれています。
そのため、玄関に猫トイレを置くのは風水的にもおすすめできません。
とはいえ、猫が使いやすい場所にトイレを設置することが何より重要なので、風水を気にしすぎるのも良くないでしょう。
猫トイレを玄関に置く際のポイント
猫トイレは玄関以外の場所に置くのが理想です。
しかし、そうはいっても置き場所がどうしても玄関しかない場合もあるでしょう。
そこで、猫トイレを玄関に置く際のポイントをまとめました。
消臭効果のある猫砂やシートを使用する
猫トイレを玄関に置く際は、臭い対策が必須になります。
猫砂の種類も臭い対策に影響するので、消臭効果のある猫砂を使用しましょう。
特に、鉱物系や木系の猫砂には消臭効果が高いものが多いです。
また、システムトイレも臭いが気になりにくいです。
猫によっては、大粒の猫砂やシステムトイレを嫌がる場合もあるので、消臭力だけでなく、猫の好みなども考慮して決めるとよいでしょう。
こまめに掃除する
定期的な掃除は、猫トイレの臭いを抑える最も基本的な方法です。
排泄物が長時間残らないよう、こまめな掃除を心掛けましょう。
固まる砂を使っている場合は、プラスチック製のヘラを使うとおしっこで固まった砂を残さずキレイに取り除けます。
さらに、トイレの底のおしっこがついた部分をペット用お手入れスプレーで拭き取ると、清潔に保ちやすいです。
詳しい掃除方法は、次の動画が参考になります。
動画で使用しているヘラとスプレーがこちらです。
換気を徹底する
玄関は窓が少なく、風通しが悪い場合が多いです。
定期的にドアや窓を開けて換気を行い、新鮮な空気を取り入れることで臭いを減らせます。
サーキュレーターや扇風機を活用すると、空気の循環が良くなります。
空気清浄機や脱臭機を設置する
臭い対策には、空気清浄機や脱臭機を設置するのもおすすめです。
玄関のスペースが限られている場合でも、小型の空気清浄機や脱臭機を設置することで、トイレ周辺の臭いを効果的に除去できます。
特に活性炭フィルターが付いているものがおすすめです。
マットを敷く
猫がトイレから出る際に、足裏に猫砂が付着していることがあります。
そのため、トイレの周りにマットを敷くと、玄関に砂が散らばるのを軽減できるでしょう。
また、冬には足元の冷えを防ぐ役割も果たします。
目隠しをする
飼い猫が警戒心が強い性格の場合は、猫トイレ用のカバーや囲いの利用を検討しましょう。
見た目がおしゃれになり、生活感を消せるメリットもあります。
また、砂の飛び散りや臭いの広がりも軽減できます。
風水的にも猫トイレを隠すのはおすすめです。
ただし、猫によってはカバーがあるトイレを使うのを嫌がる場合があります。
猫の好みに合わせてあげることが大切です。
猫トイレの置き場所が玄関しかない:最適な設置場所は?
これまで玄関に猫トイレを置く際のポイントを解説してきましたが、やはり可能であれば玄関以外の場所を検討したいものです。
猫にとってより快適で、飼い主にとっても管理しやすい場所はどこなのでしょうか。
ここでは、玄関以外の猫トイレの設置場所について、メリット・デメリットを比較しながら見ていきましょう。
- 猫トイレの置き場所の選び方
- おすすめの置き場所はリビング
- その他のおすすめの置き場所(洗面所・シューズクロークなど)
- 猫トイレを人間のトイレに置いてもいいの?
- 猫トイレを置くのに適さない場所は?
- 猫トイレは何個置けばいいの?
- 猫トイレの置き場所がない場合の工夫
- 猫トイレの置き場所を変える際の注意点
- 猫がトイレを玄関にする場合
猫トイレの置き場所の選び方
猫はトイレが気に入らないと、トイレを我慢したり別の場所で粗相したりする可能性があります。
トイレの回数が減った場合や、気に入らないサインが出ている場合は、置き場所や使用している砂の種類、トイレ本体を見直してみましょう。
猫トイレの置き場所に適している場所は以下のとおりです。
- 人通りが少なく静か
- 風通しが良い
- 食事場所やベッドから離れている
- 普段過ごす場所の近く
一般的に、猫はトイレの近くで食事したり寝たりすることを嫌います。
そのため、トイレは食事場所やベッドからある程度離れた場所に置くほうが無難です。
また、トイレの場所が遠いと気軽にトイレに行けないため、我慢してしまう猫もいます。
猫が長く過ごす場所の近くにトイレを置くようにしましょう。
おすすめの置き場所はリビング
猫トイレの置き場所として、おすすめなのがリビングです。
猫が気軽に行きやすいうえに、飼い主の目が届きやすく、排泄時の異変に早く気が付ける点がメリットです。
また、こまめに掃除できるので、トイレを清潔に保ちやすい点もメリットといえます。
入り口の近くやテレビなどの電化製品の近くは避けて、部屋の隅など落ち着いて排泄できそうな場所にトイレを設置してあげましょう。
一方で、デメリットとしては、やはり臭いや見た目が気になる点が挙げられます。
食事やくつろぎのスペースであるリビングにトイレがあると、抵抗を感じる人もいるでしょう。
また、客間がなく、リビングに来客を通す場合もあるかもしれません。
その他のおすすめの置き場所(洗面所・シューズクロークなど)
リビング以外にも、猫トイレの設置に適した場所はいくつか考えられます。
それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
- 洗面所・脱衣所
◦メリット:水場が近いので、清掃がしやすい。
◦デメリット:洗濯機の作動音や振動を嫌がる猫もいる。 - シューズクローク
◦メリット:人の視線や出入りをある程度遮ることができる。
◦デメリット:換気設備がない場合が多く、臭いがこもりやすい。 - 廊下の隅
◦メリット:デッドスペースを活用できる場合がある。
◦デメリット:人通りが多い場所だと猫が落ち着かない。 - 使っていない部屋
◦メリット:静かで落ち着いた環境を提供できる。
◦デメリット:飼い主の目が届きにくい。
どの場所を選ぶにしても、猫がリラックスして使えるか、掃除や管理がしやすいか、という点を考慮することが大切です。
猫トイレを人間のトイレに置いてもいいの?
スペースに余裕があるのであれば、人間のトイレに猫トイレを置いても問題ありません。
ただ、ドアを閉めると猫が気軽にトイレに行けなくなるので、常にドアを開けておく必要があります。
なお、排泄後に掃除するのが面倒だからといって、人間の便器で排泄させるのはNGです。
猫の排泄物のチェックができず、排泄物の変化に気づけなくなるからです。
また、猫のうんちは硬いうえに、毛が含まれていることも多く、水に溶けにくい性質があります。
配水管が詰まる原因になる恐れがあるので、人間の便器で流すのはやめたほうが無難でしょう。
実際に詰まらせて、大惨事になってしまった人もいます。
猫トイレを置くのに適さない場所は?
猫にとって快適なトイレ環境を提供するためには、避けるべき場所も知っておくことが大切です。
以下のような場所は、猫トイレの設置には適していません。
- 大きな音や振動が発生する場所
- 道路に面した場所
- 窓際
- クローゼットや押し入れ
キッチン周りや洗濯機周りは生活音が多く、猫トイレの置き場所には不向きです。
洗面所や脱衣所に猫トイレを置く場合は、洗濯機からできるだけ距離を取るか、カバーで遮断することが推奨されます。
また、道路に面した場所も車の音や人の声が聞こえて、猫が落ち着いて排泄できない可能性があります。
窓際は風通しが良いですが、野良猫から見られることがストレスにつながる恐れがあるので注意が必要です。
窓の近くに猫トイレを置く場合は、音や視線対策、温度管理などを考慮しましょう。
さらに、クローゼットや押し入れは通気性が悪く、臭いがこもりやすいです。
これにより、猫がトイレを使うのを嫌がる可能性があります。
湿気が溜まりやすい点や、猫の排泄行動を観察しにくい点においても、クローゼットや押し入れに猫トイレを置くことは一般的にはおすすめできません。
猫トイレは何個置けばいいの?
猫トイレの適切な数は、飼育している猫の数や家の広さによって異なります。
一般的に推奨されているのは、「猫の数+1個」という考え方です。
例えば、1匹飼っている場合は2個、2匹飼っている場合は3個のトイレを用意するのが理想とされています。
複数のトイレを用意する理由はいくつかあります。
- 選択肢を与える
- 縄張り意識への配慮(多頭飼いの場合)
- 利便性の向上(広い家の場合)
一軒家などで複数の階層がある場合は、各階に少なくとも1つずつトイレを設置するのが理想的です。
例えば、1階と2階にそれぞれトイレを置くことで、猫がどの階にいてもすぐにトイレを利用できるようになります。
もちろん、家のスペースや予算の都合で理想的な数を設置できない場合もあるでしょう。
その場合は、最低でも猫の数と同じ数のトイレを用意し、常に清潔な状態を保つことを心がけましょう。
トイレの数が少ない場合は、よりこまめな掃除が必要になります。
猫トイレの置き場所がない場合の工夫
置き場所が限られている場合でも、工夫次第で猫トイレを適切に配置することが可能です。
例えば、収納棚など家具の下にトイレを設置することで、スペースを有効活用できます。
また、コーナー型のトイレを選ぶと、部屋の隅などに設置しやすいです。
さらに、2個のトイレを置くスペースがない場合は、DIYなどでトイレを2階建てにする方法もあります。
筆者の家では、押入れラックを利用して2階建てにしています。
猫トイレの置き場所を変える際の注意点
猫トイレの置き場所を急に変えると、猫が混乱してしまう可能性があります。
できれば元の場所にもしばらくトイレを置いたままにして、新たにもう1ヶ所に追加する形で置き場所を変えるのがおすすめです。
もし追加するのが難しいのであれば、毎日少しずつ場所を移動して、数日間かけてトイレの置き場所を変えましょう。
猫がトイレを玄関にする場合
玄関に猫トイレを設置していないのに、猫が玄関でおしっこをしてしまう場合があります。
主な原因としては以下のようなものがあります。
これらの問題に対処するためには、まず猫の健康状態を確認することが大切です。
獣医さんに相談して、健康上の問題がないかチェックしてもらいましょう。
また、トイレの清潔さや配置を見直し、猫が快適に使えるように工夫することも必要です。
トイレが汚れている、トイレの場所が気に入らない、トイレの数が足りない、砂が気に入らないなどの理由で、猫がトイレを使わずに他の場所で排泄することがあります。
もし、猫がストレスを感じている場合は、その原因を取り除くための対策を講じることが重要です。
環境の変化、新しいペットの導入、家族構成の変化などがストレスの原因として考えられます。
対策としては、猫が安心できるスペースを作る、新しいペットとの距離を保つ、環境の変化を徐々に行うなどの方法があります。
猫トイレの置き場所が玄関しかない:まとめ
今回の記事のまとめです。
玄関は人の出入りが多く、臭いや風水面からも、猫トイレを置くのに最適な場所とは言えません。
猫にとって最適なトイレの設置場所は、静かで落ち着ける場所が望ましいです。
他に設置場所がなく、どうしても玄関に設置する場合は、消臭効果の高い猫砂を使用し、こまめな掃除と換気を徹底することが重要です。
今回の記事を参考に、猫も人も快適に暮らせる環境を整えていきましょう。