愛猫が自分からすすんでケージに入っていく姿、見かけることはありませんか?愛猫が突然ケージに戻る姿や、急にケージから出てこない様子に戸惑う飼い主は少なくないでしょう。
何か嫌なことがあったわけでもないのに、自分からケージに入る様子を見ると、「どうしてだろう?」と不思議に思うかもしれません。狭く見えるケージを、猫はなぜ好むのでしょうか。
この記事では、猫が自分からケージに入る理由について、猫の習性や心理を深く掘り下げて解説します。快適なケージ環境の作り方や、ケージを利用する際の注意点まで、幅広く情報をお届けします。
愛猫の行動をより深く理解し、より良い飼育環境を整えるためのヒントが満載です。今まで使っていたケージを使わなくなった理由や、なぜか犬のケージに入る行動などについても考察しています。
猫が自分からケージに入る理由を知ることは、愛猫の気持ちを理解し、より良い関係を築くための第一歩です。記事を読み進めることで、愛猫との絆をさらに深めるヒントが見つかるでしょう。
猫が自分からケージに入る理由を知りたい!

猫が自分からケージに入る行動には、猫ならではの理由が隠されています。単に狭い場所が好きというだけでなく、猫にとってケージが特別な意味を持つ空間になっている場合があります。
- 猫がケージを好きな理由
- 猫が安心して過ごせるケージ環境を作るコツ
- おすすめの猫ケージ
- 猫へのケージ利用に関する注意点
猫がケージを好きな理由
猫がケージを好む背景を探ってみましょう。
安心できる隠れ家だから
猫は、狭い場所や閉鎖的な空間を好むことがよく知られています。これは、彼らの祖先が野生で生きていた時代に由来する本能的な行動です。野生の世界では、捕食者から身を守るために、身を隠せる場所が必要不可欠でした。
例えば、木の上の洞や茂みの中、岩の隙間などは、外敵から身を守るための格好の隠れ家となったでしょう。現代の室内で暮らす猫たちも、この野生の本能を色濃く残しています。
段ボール箱や紙袋、家具の隙間など、狭い場所に潜り込む習性があり、ケージも猫にとってはこのような安全な隠れ家になり得ます。
自分のテリトリーだと認識しているから
猫は、強い縄張り意識を持つ動物です。自分のテリトリーを明確に持ち、その範囲内を自由に動き回り、管理することを好みます。猫にとってケージは、自分だけの縄張りを確保し、安心して過ごせるパーソナルスペースとしても機能するのです。
特に多頭飼いの家庭では、ケージはそれぞれの猫にとって貴重な空間となります。他の猫との接触を避け、一匹で静かに過ごしたい時に、安全な避難場所となるでしょう。この空間で、猫は安心して休息したり、毛づくろいをしたり、好きなように過ごすことができます。
ケージ内が最も快適な場所だから
猫がケージに入る理由は、必ずしも心理的なものだけではありません。単純に、ケージの中の物理的な環境が、家の中で最も快適だと感じている可能性も十分に考えられます。
例えば、ふかふかで寝心地の良いお気に入りのベッドや毛布がケージの中に置いてある場合、猫は眠くなると自然とそこへ向かうでしょう。飼い主が猫のためにケージ内を意図的に心地よく整えてあげることで、猫はケージをより好ましい、魅力的な場所として認識するようになるのです。
また、ケージの設置場所も影響します。日当たりが良く暖かい場所、あるいは夏場は涼しく風通しの良い場所にケージが置かれていると、猫はその快適さを求めてケージを利用するでしょう。
「ケージ=良いこと」と学習しているから
猫は経験を通じて物事を学習する能力を持っています。過去の経験から、「ケージに入ると何か良いことがある」と学習している猫は、自ら進んでケージに入るようになります。
例えば、ケージに入ると大好きなおやつがもらえた、飼い主に優しく撫でてもらえた、ケージに入っている間は静かに邪魔されずに過ごせた、といったポジティブな経験が繰り返されることです。
これは「正の強化」と呼ばれる学習の一種です。特に子猫の頃からケージトレーニングを行う際に、おやつなどを活用すると、このような学習が促されやすいでしょう。
苦手な状況から逃れるための避難場所だから
雷の音、掃除機の音、花火の音、あるいは苦手な来客など、猫が恐怖やストレスを感じる状況に直面した時、安全だと認識しているケージに逃げ込むことがあります。ケージが「いざという時に身を守れるシェルター」としての役割を果たしているのです。
このような場合、猫はケージに入ることで不安感を和らげようとしています。無理に出そうとせず、猫が安心できるまでそっとしておく配慮が求められます。ケージが信頼できる避難場所として機能している証拠とも言えるでしょう。
飼い主の不快な行動から逃れたいから
飼い主が意図せず猫にストレスを与え、ケージへ逃げ込む行動を促している可能性もあります。猫は繊細な動物であり、飼い主の行動や態度に敏感に反応するためです。
例えば、大きな声で叱ったり、しつこく追いかけたり、無理に抱き上げようとしたりするなど、猫にとって不快な行動はストレスの原因となります。猫はこれらの行動から逃れるために、安全な場所であるケージに逃げ込むことがあるでしょう。
過剰なスキンシップや構いすぎも、猫にとってはストレスになる可能性があります。自分のペースで過ごしたい猫にとって、常に触られたり構われたりする状況は負担になり、ケージにこもって一匹になることを選ぶのです。
猫が安心して過ごせるケージ環境を作るコツ

愛猫にとってケージが本当に安心できる、お気に入りの場所になるかどうかは、ケージの選び方や設置場所、そして中の環境づくりにかかっています。ここでは、猫が喜んで使ってくれるような、快適なケージ環境を作るための具体的なコツをご紹介します。
猫にとって最適なケージの選び方
ケージは、猫にとって休息の場であると同時に、安心できる隠れ家としての役割も果たします。そのため、ケージ選びの際には、快適性と安全性を両立させた製品を選ぶことが大切です。
まず、ケージのサイズを選ぶ際には、猫の体格に合った適切な大きさのものを選ぶ必要があります。猫が中で自由に回転したり、伸びをしたりできる程度の広さを確保しましょう。小さすぎるケージは猫に窮屈さを感じさせ、ストレスの原因となることがあります。
また、構造面では、段差があり、2段タイプや3段タイプのものが理想的です。猫は高い場所や上下運動を好む習性があるので、ステップや棚板が付いているものを選ぶと良いでしょう。
さらに、安全面でも様々な配慮が必要です。以下の点に注意しましょう。
さらに、常の清潔な状態を維持するためには、清掃のしやすさも重要になります。各段に扉があるタイプは、ケージ内の隅々まで手が届きやすく便利です。扉の開け方や大きさにも注目しましょう。スライド式や手前に開くタイプなど、設置場所に合わせて選べます。
ケージの設置場所と温度管理
猫が安心してケージを利用するためには、設置場所と温度管理にも配慮が必要です。適切な場所に置き、快適な温度を保つことで、猫はケージをより快適な空間として認識するようになります。
設置場所を選ぶ際は、以下の点に注意しましょう。
- 静かな場所
- 適度な明るさ
- 安定した温度
- 家族の気配を感じられる場所
まず設置場所ですが、猫は静かで落ち着ける場所を好みます。そのため、人の出入りが少なく、騒音の少ない場所にケージを設置するのが理想的です。例えば、寝室やあまり使っていない部屋などが適していると言えるでしょう。
反対に、テレビの近くや玄関など、常に人が行き来するような場所は避けましょう。そのような場所にケージを置くと、猫は落ち着いて過ごすことができず、ケージを嫌がる可能性があります。
また、直射日光が当たる場所も避けるべきです。猫は暑さに弱いため、直射日光が長時間当たる場所にケージを置いてしまうと、熱中症のリスクが高まります。
同様に、エアコンの風が直接当たる場所も避けましょう。急激な温度変化は猫にとってストレスとなり、体調を崩す原因にもなりかねません。猫にとって快適な温度は、一般的に20~28度程度と言われています。特に子猫や老猫は体温調節が苦手なので、室温にはより一層気を配る必要があります。
季節に応じて以下のような対策を取りましょう。
- エアコンで室温を調整
- 扇風機やサーキュレーターで風通しを良くする
- 遮光カーテンで直射日光を避ける
- 暖房で室温を保つ
- ケージの下にダンボールを敷く
- ケージに布をかける
- ケージ内に毛布や猫用ヒーターを設置する
ケージ内のレイアウトの具体例
ケージの中を快適にするためには、レイアウトも工夫しましょう。基本的な要素として、休息スペース、トイレスペース、食事・水飲みスペースが必要です。これらをできるだけ離して配置するのがポイントです。特に、食事場所とトイレは衛生面からもしっかり距離を取りましょう。
休息スペースには、猫が好む柔らかい毛布やクッション、ペット用ベッドなどを置いてあげると、リラックスして眠れる空間になります。季節に合わせて素材を変えるのも良い方法です。
トイレも必須アイテムです。ケージ内にトイレを設置することで、猫はいつでも好きな時に排泄することができます。猫が快適に使えるように、十分な広さを確保しましょう。
食器や水入れは、猫がひっくり返してしまう可能性があるので、安定したものを選ぶことが大切です。いつでも新鮮な水が飲めるように、水はこまめに取り替えましょう。
こちらはケージに取り付けられるタイプの水入れです。水が少なくなると、自動で給水してくれるので、留守中も安心です。
2段以上のケージの場合は、ステップや棚板をうまく活用して、猫が上下運動を楽しめるようにレイアウトします。上段に寝床を設置すると、猫はより安心してくつろげるかもしれません。ハンモックを取り付けるのもおすすめです。
清潔に保つためのお手入れ方法
猫はきれい好きな動物なので、ケージ内が汚れていると使ってくれなくなることがあります。快適な環境を維持するためには、定期的なお手入れが欠かせません。
まず、トイレは最低でも1日1回は掃除し、排泄物を取り除きましょう。猫砂の種類にもよりますが、定期的に全量を交換することも必要です。トイレ容器自体も定期的に洗浄し、清潔を保ちます。
水飲み容器や食器も毎日洗い、常に清潔な状態にしておきましょう。特に水は雑菌が繁殖しやすいため、こまめな交換と洗浄が求められます。
寝床に使っている毛布やベッドも、定期的に洗濯したり、天日干ししたりして清潔に保ちます。猫の毛やフケが溜まりやすいので、掃除機をかけるのも効果的です。
ケージ本体も、定期的に拭き掃除を行いましょう。猫の毛やホコリ、食べこぼしなどを取り除きます。汚れがひどい場合は、水拭きやペットにも安全な洗剤を使って掃除します。清潔な環境は、猫の健康維持にもつながります。
おすすめの猫ケージ

市場には多種多様な猫ケージが存在します。おすすめの猫ケージをご紹介します。
タンスのゲン 砂が飛ばニャい!? トイレ一体型キャットケージ
タンスのゲンの「砂が飛ばニャい!? トイレ一体型キャットケージ」は、ケージ内にトイレが内臓された便利な設計です。トイレはドームタイプを採用していて、砂が飛び散りにくいです。また、引き出し式なので、扉を開けずにスムーズに掃除や砂替えが行えます。
引き出しも備えていて、猫砂や猫用品をすっきり収納できます。ワイドステップ台やハンモックも付属し、猫が快適に過ごせる空間を実現しています。キャスター付きで移動も簡単です。
アイリスオーヤマ コンビネーションサークル
アイリスオーヤマの「コンビネーションサークル」は、縦にも横にも自在に拡張できる設計が特長です。住環境や猫の成長、用途に合わせてカスタマイズが可能なため、長く使い続けられるでしょう。猫だけでなく、犬用としても使えます。
大きめの入口はトイレやフードの出し入れがしやすく、日々の掃除も手間がかかりません。スライド式を採用していて、左開き・右開きの好きな方を選べます。
猫へのケージ利用に関する注意点

ケージは猫にとって安心できる場所であるべきです。使い方を間違えると、猫がケージを嫌いになったり、ストレスを感じたりする原因になりかねません。
ここでは、ケージを利用する上で注意したい点をいくつか挙げます。
無理に構ったり、出させようとしたりしない
猫が自分からケージに入ってくつろいでいる時は、そっとしておくのが基本です。ケージが猫にとっての「安全地帯」であるためには、そこで邪魔されずに安心して過ごせることが重要です。無理に撫でようとしたり、ケージから出そうとしたりするのは避けましょう。
猫がケージにいる時に構いすぎると、「ケージにいても落ち着けない」と感じてしまい、せっかくの安心できる場所としての意味が薄れてしまいます。猫が自分から出てくるのを待つか、優しく声をかけて様子を見る程度にとどめるのが良いでしょう。
ケージを罰として使用しない
猫がいたずらをした時などに、罰としてケージに閉じ込めるのは絶対にやめましょう。これを繰り返すと、猫は「ケージ=嫌な場所、閉じ込められる場所」と学習してしまい、ケージに対して強い恐怖心や嫌悪感を抱くようになります。
そうなると、本来安心できるはずの場所がストレスの原因となり、ケージに入ることを嫌がるようになってしまう可能性もあります。しつけの目的であっても、罰としてケージを使用することは避けるべきです。ケージは常にポジティブな場所であるように心がけましょう。
長時間閉じ込めっぱなしにしない
ケージは便利なものですが、猫を長時間閉じ込めっぱなしにするのは適切ではありません。猫は本来、自由に動き回り、探索したり遊んだりする動物です。ケージの中に長時間閉じ込められると、運動不足になったり、強いストレスを感じたりする可能性があります。
留守番や夜間など、安全確保のためにケージを利用する場合でも、普段は自由に出入りできるようにしておきましょう。帰宅後や起床後は、ケージから出して十分に遊んであげたり、スキンシップを取ったりする時間を作ることが、猫の心身の健康のために不可欠です。
猫が自分からケージに入る理由を知りたい!:よくある質問

最後に、猫のケージ利用に関して、飼い主が抱きやすい疑問についてQ&A形式で答えていきます。
- 猫のケージは大人になってからも必要?
- 猫がケージを使わなくなった理由は?
- 猫が犬のケージに入る理由は?
猫のケージは大人になってからも必要?
猫を飼う上で、ケージが絶対に必要というわけではありません。ケージなしで猫を飼育している家庭も多くあります。しかし、様々な場面で役立つため、成猫になってもケージがあると安心です。
- 災害時:避難が必要になった際に、猫を安全に移動させられる
- 健康管理:病気や怪我の際に、安静を確保できる
- 来客時:安心して過ごせる場所を提供できる
- 多頭飼い:それぞれの猫に安全な場所を提供できる
- 新入り猫の導入:既存の猫と段階的に馴染ませることができる
子猫の時からケージに慣れておくことで、これらの場面でスムーズにケージを利用できるでしょう。
猫がケージを使わなくなった理由は?
猫がケージを使わなくなった理由には、以下のような原因が考えられます。猫の性格や環境の変化など、いくつかの要素が絡み合っていることが多いです。
- 成長や性格の変化:子猫の頃は安心できるスペースとして好んで使っていたのに、成猫になるとケージを嫌がるようになるケースがあります。
- ケージ内が快適でない:トイレが汚れている、寝床が快適でなくなった、嫌な臭いがするなど、猫にとって不快な要素があると、その場所を避けるようになります。
- 嫌な記憶がある:ケージに入っている時に大きな物音がして驚いた、無理やり閉じ込められたなど、ネガティブな経験があると、その記憶が原因で避けるようになります。
- 他に快適な場所を見つけた:家の中にもっと居心地の良い場所が見つかると、自然とケージを使わなくなることがあります。これは猫の好みの変化であり、必ずしも問題ではありません。
もし原因が特定でき、改善できるものであれば対処し、それでも使わない場合は無理強いせず、猫の意思を尊重することも必要でしょう。
猫が犬のケージに入る理由は?
猫はもともと好奇心が旺盛な生き物です。そのため、犬のケージという普段自分のものではない空間に興味を持ち、探検してみたくなるのかもしれません。
また、猫は狭くて四方を囲まれた場所に安心感を覚える習性を持っています。犬のケージも、猫にとっては外敵から身を守れる安全な隠れ家のように感じられる可能性があります。静かで落ち着ける場所を求めて入っていることも考えられるでしょう。
さらに、同居している犬の匂いがついていることに興味を持っているのかもしれません。仲の良い犬であれば、その匂いに安心感を覚えることもあります。あるいは、犬用のベッドや毛布が単に快適で、居心地が良いと感じているだけの可能性も否定できません。
ただし、犬が自分のスペースに猫が入ることを嫌がる場合もあります。お互いがストレスなく過ごせるよう、様子を見守るようにしましょう。
猫が自分からケージに入る理由を知りたい!:まとめ
今回の記事のまとめです。
猫が自らケージに入る行動は、複数の要因が関係しています。ケージは、ただ閉じ込めるための場所ではなく、猫にとって安心できる大切な居場所となり得るのです。
快適で清潔なケージ環境を整えることで、猫がストレスなく過ごせるだけでなく、飼い主との信頼関係もより深まります。ケージを猫にとって最高の場所にするためには、選び方、設置場所、温度管理、レイアウト、そして清潔さを保つことが求められます。
ケージを罰として使ったり、長時間閉じ込めたりするのは避け、猫の意思を尊重しましょう。ぜひ、ケージとの上手な付き合い方を見つけ、愛猫との絆を一層深めてください。